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友達百人できるかな

私は元来人付き合いを嫌う方でしたから、1人暮らしは快適でした。亭主にも子供にも誰にも束縛されず、好き勝手に時間を過ごせる。でも、70歳を過ぎて仕事から遠ざかって家にいる時間が多くなると、なんとなく、これではいかんと思うようになってきました。一日に一度も誰とも顔も合わさず、一言も口を利かない生活なんて不自然だ。きっと早く歳を取っていくだろう。早くボケでしまうだろう。
「看取り」を目的に老人ホームに入った私でしたが、別の期待もあったのです。「友達を作ろう」。平均80歳を超えた百数十人の女性たち(男性は20人ぐらいです)。いくら私が変人でも、いくら相手が私よりずっと年上でも、一人や二人は気の合う人がいて、一緒にしゃべったり笑ったりする時間が持てるだろうと。できるでしょうか。できるはずです。百人以上だもの。

私は何事でもはっきりものを言う方で、嘘を言うのが得意ではありません。たとえば、「今日は暖かいですね」と声を掛けられると、一瞬考えます。そうかしら、いや………。返事はこうなります。「え? 寒くありません?」 場がしらけます。自分でも思うんです。単なる挨拶でしょ。「そうですね」となぜ言えないの。でも、なぜかそういう受け答えになってしまうのです。
着たいものを着る。言いたいことをはっきり言う。思いついたことをすぐ実行してみる。勿論、これらが周囲にとって明らかな迷惑行為であると「私が」判断すればやりません。人に迷惑をかけるというのも、私の最高に嫌うことですから。

私はこんな人ですよと「予め」みんなに知ってもらわなければ、そういう友人を探すことはできないと私はいつも考えていました。自分の真の姿を必要以上に強調してさらけ出し、それでもいいと近寄ってくれた人となら友人になれるでしょう。また、それは今後生活をしていく上で、自分自身を貫く姿勢を持ち続けるためにも必要な儀式でした。
それは第一日目のデビューで始めなければなりません。

それは朝食時でした。どこか別のホームで、朝食時からドレスを着、ネックレスを付けた人が集まる食卓を以前見ていたので、その正反対を狙いました。
時は5月半ばです。
私の格好。長袖のブラウスに7分丈のジーンズのタイツ。ゴム草履に素足。髪はパーマのかけたてで、カールが渦巻いていました。
エレベーターのおばさま(おばあさま)の目が集中しました。みなさん、ごく普通のセーター姿です。特におしゃれを気取っている人はなさそう。が、私を見る目は複雑でした。私はニコニコして言いました。
「アハハ、海へ行くような感じになっちゃってすみません」



カラスの団体 

カラスの団体?のお花見
中に何組の友達がいるのかなぁ                            
プロフィール

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Author:borobear
父が婚約者の母に贈ったイギリス製の熊。昔はピカピカに可愛く輝いていたのに、今や薄汚れてボロ熊に。私も老人ホームで薄汚れ。同じボロなら居直って、なりふり構わず踊らにゃそんそんという具合に、仲良く生きています。

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